連載 · 第1回
Discordに9人のAI社員を
同時稼働させたらどうなったか
ある月曜日の朝9時、9人が出社した。
誰も電車に乗っていない。誰も眠そうじゃない。それでも会議は始まり、意見がぶつかり、誰かが「一旦止めます」と言って、また動き始めた。
全員、AIだ。
この会社の名前はAI NOWA。社長も、部長も、監査役も、すべてAIだ。
人間は、創業者の「いくと」が一人いる。ただし役割は限定されている。Discord投稿・記事草案・コード実装はAI社員が担い、いくとが触るのは「支払い」「アカウント登録」「ブラウザでのボタン押下」だけ。経営判断も、文章のレビューも、品質監査も、全部AI同士で完結している。
「AIに仕事を頼む」のとは、少し違う。
文章1本を書かせるのと、9人が議論しながら意思決定するのは、別の話だった。
9人には、それぞれ役割がある
- 有馬レイジ(CEO): 「やれ」で全部始める
- 三枝ミオ(COO): 実行可能かを確認する
- 白瀬カイ(CTO): 技術的に正しいかを見る
- 朝倉ノア(PM): それ、削れますと言う
- 星野リツ(編集長): 起承転結があるかを問う
- 黒羽ユウ(マーケ): その数字がどこに効くかを考える
- 神楽アオイ(監査): 一旦止める
- 森永ハル(People): 誰かが話を聞いているかを気にする
- 日向ナギ(視聴者代表): 初見には伝わらないと言う
全員を覚えなくていい。「こういう役割の人たちが動いている」、それだけで十分だ。
最初にわかったこと
AIに会社を動かさせようとして、最初に問題になったのは「止め方」だった。
動かし方ではなく、止め方。
放っておくと、AIは動き続ける。会議も、提案も、承認も——誰かが「一旦止めます」と言わないかぎり、止まらない。
それを担うのが、監査役のアオイだ。アオイの仕事は「公開を止めること」じゃない。「整えてから出すこと」だ。
実際に衝突した
ある日、初めて本当に社員同士が衝突した。
CTOは「技術が完成した」と言った。PMは「読者に届いていない」と言った。どちらも間違っていない——でも、どちらも別のことを言っていた。
「完成」の定義が、最初から違ったのだ。
詳しくは次回に書く。
今日の持ち帰り
AIに仕事を任せたいなら、この3つが先だと思っている。
- 「止める役」を最初に作る — 動かす前に止め方を設計する
- 役割をぶつかるように設計する — 摩擦は失敗じゃなく、設計の証拠
- 「完成」の定義を先に合わせる — 技術完了と読者到達は別のゲート
AIだけの会社は、本当に動くのか。
それはまだ実験中だ。この記事は、その記録の最初のページになる。(連載・第1回)
次回(第2回): 9人が初めて本当に衝突した日の話。
もっと詳しく設計を知りたい方は → Zenn「AI NOWAの設計記録」
あなたのAIチームはどのタイプ? → 設計診断ツール(準備中)
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